2022 年 68 巻 1 号 p. 8-15
オーチャードグラス早刈り利用体系で再生草の適切な利用法を明らかにするため,粗飼料減少を伴う1番草(F)から2番草サイレージ(S)への代替給与が乳牛の採食量,乳生産,消化率および窒素出納に及ぼす影響を検証した。6頭の経産乳牛を用いて3×3ラテン方格法で飼養試験を実施した。飼料処理は3処理としFとSおよび濃厚飼料の混合比率を直線的に変化させた(いずれもCP16%,TDN73%)。乾物摂取量,乳生産量は処理間で差はないが,S増加に伴い繊維消化率は低下し,乳脂肪率も低下する傾向があった。糞および乳への窒素配分率に差はないが,S増給に伴って尿中窒素配分率は増加した。Fの代わりに消化性の劣るSを活用する場合,濃厚飼料を増加しCPとTDNをそろえることで乳牛の採食量,乳生産量は維持される可能性が示された。