日本草地学会誌
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研究報告
テフグラス(Eragrostis tef)サイレージの黒毛和種雌牛への給与が飼料摂取量および第一胃液性状に及ぼす影響
細田 謙次金子 真服部 育男加藤 直樹中村 好德
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2022 年 68 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

短期間で栽培可能で,細く柔らかいという特徴を持つテフグラスの乾物収量,サイレージ発酵品質および黒毛和種雌牛に給与した際の採食性と第一胃液性状を調べた。テフグラスは,40日の栽培期間で収穫適期となり,361 kg/10 aの乾物収量が得られた。テフグラスのサイレージ品質は,良質な予乾サイレージに特徴的なpHが高く,乳酸よりも酢酸濃度の低い発酵品質を示し,Vスコアで「良」に判定された。テフグラスサイレージのウシによる乾物摂取量は,対照牧草のスーダングラスサイレージに比べて,高かった。また,テフグラスサイレージの高い乾物摂取量に付随して,第一胃内低級脂肪酸濃度も上昇した。本研究で得られた結果から,テフグラスは,九州地域において短期間の栽培が可能で,ウシによる採食性が高い夏季牧草として有望であると考えられた。

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