短期間で栽培可能で,細く柔らかいという特徴を持つテフグラスの乾物収量,サイレージ発酵品質および黒毛和種雌牛に給与した際の採食性と第一胃液性状を調べた。テフグラスは,40日の栽培期間で収穫適期となり,361 kg/10 aの乾物収量が得られた。テフグラスのサイレージ品質は,良質な予乾サイレージに特徴的なpHが高く,乳酸よりも酢酸濃度の低い発酵品質を示し,Vスコアで「良」に判定された。テフグラスサイレージのウシによる乾物摂取量は,対照牧草のスーダングラスサイレージに比べて,高かった。また,テフグラスサイレージの高い乾物摂取量に付随して,第一胃内低級脂肪酸濃度も上昇した。本研究で得られた結果から,テフグラスは,九州地域において短期間の栽培が可能で,ウシによる採食性が高い夏季牧草として有望であると考えられた。
オーチャードグラス早刈り利用体系で再生草の適切な利用法を明らかにするため,粗飼料減少を伴う1番草(F)から2番草サイレージ(S)への代替給与が乳牛の採食量,乳生産,消化率および窒素出納に及ぼす影響を検証した。6頭の経産乳牛を用いて3×3ラテン方格法で飼養試験を実施した。飼料処理は3処理としFとSおよび濃厚飼料の混合比率を直線的に変化させた(いずれもCP16%,TDN73%)。乾物摂取量,乳生産量は処理間で差はないが,S増加に伴い繊維消化率は低下し,乳脂肪率も低下する傾向があった。糞および乳への窒素配分率に差はないが,S増給に伴って尿中窒素配分率は増加した。Fの代わりに消化性の劣るSを活用する場合,濃厚飼料を増加しCPとTDNをそろえることで乳牛の採食量,乳生産量は維持される可能性が示された。
Festulolium and ryegrasses are excellent grasses; however, many individuals do not survive through the summer and die. In this study, we determined the substances present in Festulolium, Italian ryegrass, and perennial ryegrass in order to determine which individuals can over-summer. Our results indicated that over-summering was enhanced by high levels of α- and γ-tocopherol in the stems and leaves of three grass species, respectively.