草地に生息する穴居性小型哺乳類の営巣は土壌や植生を撹乱するとともに,土壌や植生の影響を受ける。本研究では,東北地方の山地草地に生息する穴居性小型哺乳類の営巣と土壌および植生との関係について検討した。草地内に200 mラインを設け,それに沿った100地点について,小型哺乳類の巣穴開口部の有無,斜度,優占植物種,平均群落高,植被率,リターの厚さ,土壌水分含量および土壌硬度を測定し,巣穴開口部の有無を目的変数としてロジスティック回帰分析を行った。その結果,最終的に選択された説明変数はリターの厚さ,植被率,平均群落高および優占植物種であり,特にリターの厚さが有意であった。これらは巣穴開口部を隠す機能を有することから,小型哺乳類は草地において捕食者からの回避に有利な条件の場所に営巣していると考えられる。