河川敷草地における牧草導入方法を検討するために,1956〜1959年にいたる間,阿武隈川流域において,オーチャードグラス,レッドクローバーを供試し,不耕起,完全耕起,条耕起の別を比較した。牧草の生育は各処理間にいちじるしい差がみられなかつた。洪水の影響により試験区は1958年7月と9月の2回冠水した。残留土砂の量によつて,牧草の再生に差がみられた。牧草収量(生草重),雑草重量を統計的に検討しても各処理区間に有意差は認められなかつた。牧草収量と牧草被度との間にはr=0.42,牧草被度と雑草被度との間にはr=-0.83なる相関が認められ,何れの相関係数も高い有意性を示した。