以上の結果は次のように要約することができる。1)供試土壌は瘠薄であると見做されるからイタリアンライグラスの生育収量には施肥の影響があきらかに示されているといいうる。イタリアングラスの生育収量に対して窒素の影響は最も大きく燐酸はこれにつぎ加里の影響はほとんどなかった。2)窒素,燐酸の施用量を増せばそれに伴って生育,収量を増大するが,加里の場合は却って減少を示した。また三要素に石灰を添加するとやはり減少を示した。3)根においても施肥の影響は地上部と相似た傾向を示している。4)根中窒素含量は三要素の中1つを欠いても,また石灰を添加しても減少する。窒素施用量を増せば窒素含量は増加するが,石灰の添加によって減少する。燐酸,加里の施用量を増しても,石灰を添加しても窒素含量は減少の傾向を示す。