日本草地学会誌
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輪換畑における飼料作物の高位生産に関する研究 : 第IV報 窒素の施用がテオシントの生育収量並びに飼料価値に及ぼす影響について
牧 俊郎西川 光一
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1962 年 8 巻 3 号 p. 189-196

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抄録
窒素の多量施用が,テオシントの生育収量並びに飼料価値におよぼす影響について調査し次に要約するような結果を得た1.生草並びに乾物収量はNの多いほど増収し,65kg施用で12.346kg収穫出来,一応高位生産のレベルに達したものと考えられる。しかし45kg以上の区ではその増収度は低下した。またNの利用率も45kg以上の区は低下し,65kg区では55%であった。2.無機成分含有率について見ると,N増施によりN含有率は顕著に高くなるが,P_2O_5は一定の傾向がなく,K_2Oはやや低くなる程度でその影響は少ない。3.無機成分吸収量中,Nの吸収量が最も多く,65kg区では10a当り47.9kgであった。またK_2Oの吸収量もNの増施により著しく増加することが注目される。4.飼料成分含有率では粗蛋白質はNと同様に高くなるが,反面可溶無窒素物,粗灰分は低下する傾向にある。5.可消化成分生産量は,DCPではNの増施により顕著に増加し65kg区で,10a当り184kgであるが,TDNについては含有率はやや低下の傾向を示しており,その生産量の増加もDCP程著しくない。
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© 1962 著者
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