地理学評論 Series A
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論説
合併地域における介護保険の事業特性に関する旧市町村間の差異
――「介護保険事業状況報告」による保険者別データの比較から――
杉浦 真一郎
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2009 年 82 巻 3 号 p. 188-211

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抄録

介護保険に関して,近年の市町村合併は,旧自治体ごとの負担(保険料)を均一化する一方で受益(サービス給付)を必ずしも平準化できない点で地域的公正の観点から問題を生じさせている.本稿は,旧自治体別の介護保険について,新自治体となる合併地域全体との間の量的・質的差異を全国スケールで分析した.主な結果は次の通りである.①新自治体とのサービス給付水準の差異が顕著な旧自治体を抱える新自治体は概して非都市的な地域特性を多く含み,高齢者人口規模などからみた首位都市としての地位が相対的に高い旧自治体による編入合併が多い.②合併によって新自治体との間で著しい給付水準の差異を有する旧自治体は全国的に分布するが,特に県境地帯の山間部や離島など周辺性を有する地域に多い.③それらの旧自治体は合併前の数年間をみても事業特性に大きな変化がなく,合併後も受益と負担の不均衡による地域的公正の問題が新自治体内で存続する可能性が示唆される.

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© 2009 社団法人日本地理学会
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