本稿ではスキー大会や研修会などのスキー公式行事がスキーリゾートの存続に影響しうる可能性について,長野県茅野市車山高原を事例に考察した.日本におけるスキー観光は1990年代初頭までのスキーブーム期後に急衰した.車山高原も同様の衰退がみられ,現在は夏季観光が中心である.しかし,車山高原において長年開催されてきたスキー公式行事の参加者が,大会に向けた練習や定期的な行事のために定宿を持ち,リピーター化する例が確認された.彼らは宿泊施設オーナーとの関係を築き,サービスや経営に自信ややりがいを与えている.また,彼らを受け入れてきた宿泊施設のオーナーも,スキーヤーであることが多く,自ら行事を開催している事例もみられた.スキー公式行事をきっかけに毎年安定した宿泊需要が見込めたり,オーナーによる行事開催があったりする環境は,車山高原のスキーリゾートとしての性格を存続させている.