抄録
この研究は,水稲生産力の発展を類型区分することにより,第1報で明らかにできなかった点を再整理したものである.これは生産力構造そのものの各段階別,地域別分析を行なう前に,生産力がいかなる地域に,いかに展開してきたかを整理し,類型区分を行なうことが必要であると考えるためである.
本論で明らかにした点をいうならば,地域類型は9類型に分類され,これらの類型は歴史的に固定されたものでなく,その地域的展開は発展の段階により異なるものである.そこで類型の性格的相異による地域的対向関係も,段階により異なってくる.このような現象は,つまり各地域の生産力構造の変化の仕方が異なると考えられる.