地理学評論
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定置網漁業経営の諸型と漁村の存在形態
大崎 晃
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1963 年 36 巻 7 号 p. 424-435

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抄録
伝統的な経営組織が存続するといわれる沿岸漁業の現様態について,大型定置網漁業を素材として若干の考察を試み,次の結果を得た.
1) これまで農経・経済史学によつて一般にいわれてきた,漁場主制度や網元による漁場の地主的経営は,現今の定置網漁業については認めがたく,生産組合による経営が支配的である.生産組合経営にいたる過程とその組織には地域差がきわめて大きく,富山・石川・岩手の東目本諸県では,漁業制度改革後,旧網主層を中心とした生産組合,あるいはそれらとの共同経営化が進められたのに対し,三重・高知・京都の西目本諸府県では,昭和恐慌期頃から,旧来の大網組・大敷組合を基調として,生産組合経営化がなされた.
2) 漁業生産組合運動の目本的性格は,近代化の反映であるよりも,漁村の前近代的社会関係の自己適応的再編成や,小漁民層による沿岸漁場利用秩序の確立運動の結果としてあらわれたことである.
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