地理学評論
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日本における冬の天候分布の総観気候学的解析
河村 武
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1964 年 37 巻 2 号 p. 64-78

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抄録
前に北海道地方について試みた総観気候学の研究方法を本邦全域に適用して,主として冬の季節風に関係した詳細な天候の分布とその推移の状態を明らかにすることを企てた.そのために本邦を5地域に区分し(第1図),全国的に統一した基準で気流型を設定して(第2図),気流型の地域的な現われ方を調べるとともに,各気流型毎に気象庁全国気象旬報掲載の全国約1,500地点の観測所の日降水量を用いて天候状態の分布を表現した.
その結果は気流型の出現度数と持続性を表わした第1表・第2表,北西季節風型と北東気流型の天候分布を表現した第4図・第11図に要約されている.とくに気流型の出現度数にみられる著しい地域差,大陸高気圧の張り出し方のちがいによる天候分布の差異,北西季節風型の降水分布に表われた 850mb の気流の方向と細かい地形の影響などは,わが国の冬の気候の地域差を説明する重要な結果である.また第5図~第10図の例から,広域の天候状態から局地的な天気分布にいたるまで,大陸から張り出す寒気の影響を強く受けていることを明らかにした.
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