抄録
従来気候変化の研究は各要素ごとに分け,主として気温と降水量について別箇に考察されて来たが,ここではこれら全体を総合したものの変化として考えようとするものであり,結局気候区や気候域の移動や変動として表現される.このたあに,前にRUSSELが提唱した年候(year climate)の方法を用い,北太平洋を囲んだ各地点について,各年ごとにケッペンの気候型を求め,その出現頻度やこれによる特性を明らかにし,古典気候学と近代気候学の関係に及ぶ.次に気便型がほぼ一定し,変化の少ない安定地域と,多種類の気候型の出現によって特長づけられる不安定地域とを区別し,それぞれの分布を明らかにして,一部の原因的考察を行ない,さらに気候型の経年的移動に見られる二,三の特性について述べる.なおこの研究は,1961年に東亜だけについて行なったことがあるが***,本稿においてはその対象地域や考察の方法などをさらに拡大し,一部は別箇の報文として分割することにした.