抄録
空中写真による微地形の体系的解析法は,軟弱地盤地域の自然地理学的研究の有力な手段の1つである.空中写真による地盤条件判定の基本は,微地形的特徴の類似性に基いて同一の土質から構成された“微地形単位”を設定することである.しかし個々の微地形単位から推定できるのは,表面に近い物質の性状のみである.そこで,微地形単位の分布パターンなどから,同じような生成史をへて形成された“地形域”を設定し,地形発達史的考察を媒介としてより深層の地盤構成を推定する方法を考えた.日本の多くの沖積平野について検討した結果,微地形の体系的解析法は,土層の厚さや地盤構成の細部を判定できないという限界はあるが,軟弱地盤の分布地域をほぼ適確に抽出でき,かつその土質の概要を推定できるすぐれた方法であることを確認した.土質調査・防災計画への適用の可能性を検討し,今後の課題に言及した.