地理学評論
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造船工業地域の形成.第1報(相生市の場合)—造船所中心のアプローチ—
村上 雅康
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1969 年 42 巻 1 号 p. 41-59

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抄録
この論文の主目的は,巨大企業が「工業地域」をいかに形成して行くかのプロセスを追求することにある.
造船工業は明治以後,日本の工業化の原動力であるばかりでなく,総合組立工業として,多数の下請関連工場を外部分業の形態で成立させ,造船所自体の発展とともに,その周辺部に面的な拡大をさせている.と同時に,社宅・寮の建設をして,多数の労働者の定着をはかり「工業地域形成」を行なっている.研究地域としては,典型的な単一造船工業.市である相生市を選定した.
ここでは,造船所を中心にして「造船工業地域」が具体的にどのように歴史的展開をして形成されて来たか以下の4つの指標を中心に考察した.
(1) 相生市の工業生産高とその構成の変容(第1表).
(2) 相生市の人口と造船工業従業者数と新造船量の対応関係(第2図).
(3) 下請関連工場群の成立と拡大(第3図).
(4) 工業的土地利用の進展(第7-1, -2, -3, -4図).
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