地理学評論
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経済成長下の千葉県浦安町の都市化
福原 正弘
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1971 年 44 巻 11 号 p. 751-764

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抄録
昭和30年以降の日本経済は目ざましい高度成長を遂げた.しかしそれは産業と人口の急激で,かつ大規模な大都市への集中を促がし,このテンポに社会資本の整備がついてゆけず,各種の都市問題が生じた.このような状態の元における東京近郊の郊外住宅地化への変貌を千葉県浦安町について分析した.
浦安町は地下鉄東西線の開通に伴って都市化現象が著しいが,農地転用,建築着工,人口動態の3点より分析すると,それぞれ昭和42年末, 43年, 45年頃より都市化現象が顕著に認められる.
地元の土地所有者は43年以降急激に農地を手放なしており,土地所有規模の階層でみると二極分化の傾向がみられ,土地売却代金は主としてアパート建設資金に向けられている.
郊外住宅地としての浦安は,社会的・自然的条件による土地の風格性の悪さが都心への時間的距離の近接性というメリットをカバーし得ず,ホワイトカラー層の進出する住宅地域とはなり得なかった.
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