地理学評論
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コンニャク栽培における技術革新と生産立地
鏑川流域の事例
山崎 和
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1973 年 46 巻 5 号 p. 323-338

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抄録
鏑川上流における山地河谷では,明治中期以降からコンニャク栽培の発展が計られ,商品作物としての地位を高めてきた.
本稿では,1955年当時と今日のコンニャク栽培の作業体系や土地利用を比較考察することによって技術革新がどのような作桑面に採用されているか,それによって労働生産性がどの程度高められたかを明らかにした.
また,革新技術の採用によって従来のコンニャク生産地である山地河谷のみでなく,中間・平坦地にもコンニャク栽培が可能となり,その拡大が行なわれている.新しい地域でコンニャク栽培が行なわれるようになると,既存産地では生産条件を改変して地域間競争に対処しなければならない.
また,投機性の強いコンニャク価格の推移と労働生産性との関係から,コンニャク栽培における生産立地に論及した.
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