堆積物の岩相,土質工学的性質,色調,および含有物を指標とし,その連続性に注目して基準となる地質断面図を含む多数の地質断面図を作製し,それらに基づいて他のボーリング資料を解釈すれば,沖積層の細分や埋没地形の復元の問題について,一定の範囲内ではあるが蓋然性の高い議論が可能である.このような考え方にたって,多摩川低地の沖積層と埋没地形について検討し,以下の結果を得た.
(1) 多摩川低地でも沖積層は上部と下部に二分される. (2) 沖積層の基底を等高線で示した. (3) 埋没地形を,埋没河岸段丘,埋没谷底,埋没海岸段丘に区分し,図示した. (4) 立川ローム層をのせる埋没立川段丘を二分した. (3) 3万年海進については,埋没立川段丘1の延長上にある砂層やその直下に存在する泥層の検討が必要であることを指摘した.
抄録全体を表示