地理学評論
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46 巻, 5 号
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  • 岡田 篤正
    1973 年 46 巻 5 号 p. 295-322
    発行日: 1973/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    雄大な規模をもつ石鎚断層崖とその北麓域において,地形・地質調査を行ない,中央(構造)線の諸特徴を調べ,その新第三紀以降,とくに第四紀の断層運動の基本的性格の解明に努めた.断層面は狭義の中央線では30。N位か,やや急傾斜であるが,北側を並走する活断層系では垂直に近く,両者は地下では合流し,一連の剪断帯を形成している.崖麓に沿って活断層が連なり,各種の変位地形がこれに伴っている。とりわけ横ずれ変位地形が各所でみられ,右ずれの卓越した断層運動が示唆される.この活断層系は砥部・菖蒲谷時階以後の第四紀になって発現した.随伴する垂直変位によって,石鎚断層崖も形成されてきた.右ずれも垂直変位も一定方向への累積性がみられ,その平均変位速度はほぼ等速度か現在に向かってわずかに加速してきているようである.北麓域では右ずれ運動に伴われた規模の異なる波曲状変形が認められるが,石鎚断層崖の形成のような運動様式とは一.桁小さい.西南日本では第四紀以降に始まるほぼ東西方向の最大圧縮軸をもつ広域応力場のもとで,中央線(活断層系)が再活動し,右ずれの卓越した変位を繰返してきた.
  • 鏑川流域の事例
    山崎 和
    1973 年 46 巻 5 号 p. 323-338
    発行日: 1973/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    鏑川上流における山地河谷では,明治中期以降からコンニャク栽培の発展が計られ,商品作物としての地位を高めてきた.
    本稿では,1955年当時と今日のコンニャク栽培の作業体系や土地利用を比較考察することによって技術革新がどのような作桑面に採用されているか,それによって労働生産性がどの程度高められたかを明らかにした.
    また,革新技術の採用によって従来のコンニャク生産地である山地河谷のみでなく,中間・平坦地にもコンニャク栽培が可能となり,その拡大が行なわれている.新しい地域でコンニャク栽培が行なわれるようになると,既存産地では生産条件を改変して地域間競争に対処しなければならない.
    また,投機性の強いコンニャク価格の推移と労働生産性との関係から,コンニャク栽培における生産立地に論及した.
  • 松田 磐余
    1973 年 46 巻 5 号 p. 339-356
    発行日: 1973/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    堆積物の岩相,土質工学的性質,色調,および含有物を指標とし,その連続性に注目して基準となる地質断面図を含む多数の地質断面図を作製し,それらに基づいて他のボーリング資料を解釈すれば,沖積層の細分や埋没地形の復元の問題について,一定の範囲内ではあるが蓋然性の高い議論が可能である.このような考え方にたって,多摩川低地の沖積層と埋没地形について検討し,以下の結果を得た.
    (1) 多摩川低地でも沖積層は上部と下部に二分される. (2) 沖積層の基底を等高線で示した. (3) 埋没地形を,埋没河岸段丘,埋没谷底,埋没海岸段丘に区分し,図示した. (4) 立川ローム層をのせる埋没立川段丘を二分した. (3) 3万年海進については,埋没立川段丘1の延長上にある砂層やその直下に存在する泥層の検討が必要であることを指摘した.
  • 1973 年 46 巻 5 号 p. 357-366
    発行日: 1973/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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