地理学評論
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若狭湾岸地域における主に最終氷期以後の海水準変動と地形発達
岡田 篤正
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1978 年 51 巻 2 号 p. 131-146

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抄録
リアス海岸域では,段丘やその堆積物,とくに沖積谷底を構成する地層の状態やその年代などの資料が従来乏しく,段丘形成期以降の海水準変動や地形発達などに関する実証的研究はあまりなされてこなかった.最近,若狭湾岸で主として原子力発電所建設に伴う調査や大規模工事が行なわれ,沖積谷底の層序や14C年代が糊してきた.それらの資料から考察すると,当地域でも最終氷期以後の海水準変動の様子が璽らかとなり,2.5~3万年前の亜間氷期に対応する高海面,1.8~2万年前の最終氷期中の大海退,5~8千年前の縄文海進(最高頂期,約6千年前),1.5~4千年前の縄文後期~古墳時代中期の小海退などの現象が認められる.これらのほかにも,小海進や小海退の可能性が地形・地質上認められるが,具体的な年代資料は得られなかった.こうした海水準変動はリアス海岸域においても地形(とくに平地)や地層形成上かなり大きく関与していることが判った.
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