日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第13回大会
セッションID: P-1-37
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ポスターセッション1
音は視覚的時間知覚の正確性・安定性を向上させる
朝岡 陸*行場 次朗
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抄録

時間知覚における先行研究では,視覚刺激の知覚時間が同時に提示される音によって伸長・短縮することが示されている。そこで,本研究では視覚刺激に同時提示されない音が視覚刺激の知覚時間に影響するかどうかを検討した。さらに,音が視覚的時間知覚の安定性に及ぼす影響も検討した。参加者は視覚刺激だけか,2個の短い音に挟まれた視覚刺激が提示された。参加者の課題は視覚刺激の知覚時間をキー押しによって再生することであった。その結果,音,視覚刺激,音と時間的間隔無く連続して提示される条件では,音が提示されない条件よりも再生時間は短くかつ正確になり,さらに安定性は高くなることが示された。しかし,音と視覚刺激の間に時間的間隔があると,これらの効果は認められなかった。これらの結果は視覚刺激の直前,直後に提示される音が視覚刺激の表象をより頑健にし,時間知覚の正確性と安定性を向上させたことを示唆している。

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© 2015 日本認知心理学会
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