宝石学会(日本)講演会要旨
平成24年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
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平成24年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
南極大陸セール・ロンダーネ山地から産出したアマゾナイトの特徴
*福田 千紘宮﨑 智彦亀井 淳志
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p. 10-

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抄録

1912年1月28日は白瀬中尉率いる白瀬南極探検隊が日本で初めて南極点を目指し、南緯80度5分、西経156度37分の地点に到達した日であり、今年でちょうど100周年を迎える。これを記念し各所でさまざまな式典やイベントなどが開催されている。
 第50次日本南極地域観測隊、セール・ロンダーネ山地地学調査隊が2008年~2009年にかけて現地調査を行った。2009年1月の調査では新鉱物であるマグネシオヘグボナイト-2N4Sを発見し国際鉱物学連合(IMA)の新鉱物命名分類委員会により新鉱物として認定されている(Shimura et al.(2011))。マグネシオヘグボナイト-2N4Sは青色のコランダム(サファイア)と共生するなど宝石となる鉱物も見つかっており、セール・ロンダーネ山地では他に宝石質のバナジウム着色のグリーングロッシュラーガーネットなども産出が知られているが、極地での開発や採掘は国際条約の制限を受けるため手付かずのまま保護されている。
 セール・ロンダーネ山地で採取された花崗岩質の岩石試料には淡青色の粗粒な結晶が含まれているものがあった。これは既に長石(アマゾナイト)として存在が知られており予察的な分析で追認できた。セール・ロンダーネ山地から産出するアマゾナイトは花崗岩質の岩石中に淡青色の結晶として点在し、形状は半自形のものが多い。岩石中のやや祖粒な部分に集中する傾向がみられた。結晶は明瞭な劈開面が観察され低倍率の顕微鏡下ではラメラ構造が認められる。分析の結果、カリウム、ナトリウムに富み微斜長石(マイクロクリン)に分類される。主要な成分のほかに着色要因として鉄、鉛が少量検出された。また着色にはあまり影響しないと思われる微量成分としてRb,Sr,Ba等が最大数1000ppm程度と比較的高い濃度で含有されていた。
 本研究ではセール・ロンダーネ山地から持ち帰った試料に含まれるアマゾナイトの結晶についてさまざまな特徴、化学組成等を検討し世界各所から産出が報告されているアマゾナイトとの比較を行った。比較対象はかつてゴンドワナ大陸として超大陸を形成し現在は分断されている南米大陸、アフリカ大陸から採取されたもの、ユーラシア大陸から採取されたもの、北米大陸から採取されたもの、沈み込み帯の島弧である日本から採取されたものを準備した。各大陸、プレートテクトニクス論上の共通点、相違点を中心に産地ごとの特徴を検討し報告する。

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