抄録
歯科治療において患者からの審美的要求が高まる中,メーカーの技術革新によりその要求に応えるべく審美材料が開発されてきている.その中でも近年のCAD/CAM技術の急速な進歩により,「白いメタル」と呼ばれるジルコニアフレームを用いた審美補綴修復技法が,高審美・高強度の特性に加えて優れた生体安定性を有していることから,臨床での応用が拡大傾向にある.しかし,ジルコニア材を用いた修復技法を成功させるには,天然歯類似の色調再現や機能的な回復を実現するためのジルコニア用陶材及び歯質とジルコニア材を強固に接着することができるレジンセメントの存在が必要不可欠となる.弊社では,ジルコニアフレームを用いた審美 補綴修復技法に対応する材料として,天然象牙質,エナメル質の色調を忠実に再現し,また技工操作性,生体適合性にも配慮したジルコニアフレーム用上層陶材「ヴィンテージ ZR」を2006年に上市し,高強度セラミックス(アルミナ,ジルコニア)専用に設計された「AZプライマー」を備えた審美修復用レジンセメント「レジセム」を2007年に上市しております.本シンポジウムでは,これらジルコニア材対応製品の設計思想から製品特徴を解説致します.