抄録
光重合型レジンは、不飽和二重結合を有するモノマー中の重合開始剤が光エネルギーによって励起しラジカルを発生することによってモノマーを重合し硬化させる。これまで、重合開始剤としてカンファーキノン(CQ)が最も一般的であり、ラジカルを発生させるに必要な光エネルギーを効率的に照射する可視光照射器としてハロゲン光を光源としたものが広く使用されてきた。近年、キセノン光を光源とし光エネルギーが高く、従来のハロゲン系光照射器よりも短時間で光重合型レジンを硬化させる可視光照射器が急速に普及しているが、この光照射器の激しい発熱を抑制する目的で従来のハロゲン系光照射器のもつ波長領域を縮小したため、いくつかの光重合型レジンの硬化性を著しく低下させる場合があった。そこで今回、各種光源を有する光照射器を使用して、CQを用いない光重合型ボンディング材(AQボンド)が象牙質への接着強さに与える影響について検討したので報告する。
以上の結果から、CQを使用しないボンディング材(AQボンド)を使用する場合には、可視光照射器の波長域が400∼420nmにあることを表示している機種を選択すべきであり、発光波長領域が430nm以上としか表示されていない機種は選択すべきでないことがわかった。