抄録
象牙質に対するレジン接着剤の効果的な作用を実現するために, コラーゲンと機能性モノマーの相互作用を解明することは非常に重要である1, 2). 我々は第38回日本歯科理工学会学術講演会で, アミド型モノマーであるNメタクリロイルグリシン(NMGly)およびエステル型モノマーであるメタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(HEMA)が, I型コラーゲン高次構造におよぼす影響を報告した3). 前報で見出された, モノマー間でのコラーゲン高次構造安定性の濃度依存性の差は, これらモノマーの吸着または結合特性の違いに由来すると考えられる. そこで, コラーゲンに対するモノマーの結合等温線を作成し, コラーゲンの高次構造安定性との関係を考察する実験を行った.
このような検討を種々のモノマー濃度で行うことにより, コラーゲンに対するモノマーの吸着挙動とコラーゲンの変性挙動の相関が明らかにされると考えられる. また, pH, イオン強度等の条件を変えることで, 化学構造の違いに基づく, NMGlyおよびHEMAのコラーゲンに対する吸着様式の違いについての知見が得られる.