肺癌
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症例
EGFR遺伝子変異陽性であった小細胞肺癌の1例
鳴海 創大井上 彰柴原 泰三井草 龍太郎榊原 智博貫和 敏博
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 51 巻 7 号 p. 798-802

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抄録

背景.EGFR遺伝子変異を伴う小細胞肺癌の報告は非常に稀であり,EGFR-TKI使用を含めその治療は確立していない.症例.74歳女性.呼吸困難を主訴に近医を受診,胸部X線写真にて左大量胸水による縦隔右方偏位を指摘され当科へ紹介された.胸水排液後の胸部CTにて左下葉に腫瘤を認めたほか,脊椎・肋骨の破壊像,左胸壁に多発結節を伴っていた(cT4N2M1b).胸水細胞診にて小細胞癌と診断されたが,非喫煙者のためEGFR遺伝子変異を検索したところexon 18の置換型変異(G719C)が同定された.初回治療としてカルボプラチン,エトポシド併用療法を施行し腫瘍の縮小を認めた.その後,腫瘍増悪に伴い全身状態不良となった際,二次治療としてゲフィチニブ投与を行ったが反応なく,その後のアムルビシン投与も無効となり永眠された.結論.非喫煙者においてEGFR遺伝子変異陽性であった小細胞肺癌症例を経験した.EGFR遺伝子変異陽性の小細胞肺癌症例でのEGFR-TKIの有効性についてはさらなる症例の蓄積が求められる.

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© 2011 日本肺癌学会
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