肺癌
Online ISSN : 1348-9992
Print ISSN : 0386-9628
ISSN-L : 0386-9628
症例
ベバシズマブ併用化学療法中に膿気胸となった肺腺癌の1症例
河野 朋哉宮田 亮高木 順平花谷 崇田久保 康隆野口 哲男
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2013 年 53 巻 4 号 p. 336-340

詳細
抄録
背景.ベバシズマブ併用化学療法は,肺癌領域でも急速に広まっている.症例.63歳男性.咳嗽,体重減少を主訴に近医を受診したところ,胸部CTにて右肺下葉に直径50 mmの腫瘤影を認めた.気管支鏡検査にて腺癌と診断された.全身精査で肝臓,骨盤骨への転移を認め,cT2bN3M1b stage IVと診断された.カルボプラチン,パクリタキセル,ベバシズマブによる化学療法を開始したところ,day 15に右膿気胸を発症した.胸腔ドレナージを行うが,改善せず.胸部CTにて腫瘍の破裂による難治性の膿気胸と診断されたため,救済目的に開胸による右下葉切除を行った.その後気管支断端瘻を併発し,大網充填術を必要とした.化学療法を続けたが,発見から1年後に癌性髄膜炎となり死亡した.結論.ベバシズマブ併用化学療法は,腫瘍を広範囲に壊死させ,気胸・膿胸の原因となる可能性がある.難治性の気胸・膿胸は胸部CTによる診断を行い,必要であれば,早期の外科的処置にうつるべきである.
著者関連情報
© 2013 日本肺癌学会
前の記事
feedback
Top