背景.ドライバー遺伝子変異を有する肺原発異型カルチノイドは極めて稀である.症例.61歳の男性.嘔気・全身倦怠感を訴え近医脳神経外科を受診した.画像上多発する脳腫瘍が指摘され,小脳病変による水頭症が認められ当院脳神経外科へ転院となった.開頭脳腫瘍摘出術が施行されanaplastic lymphoma kinase(ALK)融合遺伝子陽性異型カルチノイドの診断となり,原発巣検索のため全身精査したところ,肺に原発巣が認められた.ALK阻害薬による治療により肺病変は縮小を認めた.結論.肺異型カルチノイドにALK阻害薬が奏効した貴重な1例と考えられた.