2021 年 61 巻 2 号 p. 69-76
肺がん検診委員会では,新たな読影医の獲得や現在読影している読影医の読影力の維持・向上が重要であると考えてきた.2012年にはこれを解決する目的で「肺がん検診のための胸部X線読影テキスト」を出版したが,そこで学んだ知識を応用する手段が必要であった.2018年に肺がん検診委員会委員の関連施設から検診画像データを収集し,画像データを中央判定した.そのデータや結果をもとに検診読影環境と類似した読影演習ができるシステムを開発した.2019年5月にはインターネットを介して会員ならいつでもどこでも演習できるシステムとして運用を開始した.運用を開始して1年以上たった現在では,安定した運用が行われている.本稿ではこのシステム開発の経過やシステムの利用法を解説し,利用状況を報告する.