肺癌
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肺の末梢に発生した小型腺癌, 大細胞癌の臨床病理学的研究, 特に腫瘍中心部線維化巣の形態と予後との関連について
橋本 武志下里 幸雄児玉 哲郎西脇 裕鈴木 明末舛 恵一
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1978 年 18 巻 4 号 p. 381-391

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抄録

肺の末梢に発生した小型の腺癌の腫瘍内線維化巣の性状を検討した結果, 硝子化の進行した硬いものほど胸膜浸潤, リンパ節転移の程度が進み, 血管侵襲の頻度も高く, 予後の悪いものが多かった. すなわち, 腫瘍内線維化巣の硬さ (新旧の度) は予後を推測する上で重要な組織学的所見の一つであることがわかった。これは腫瘍内線維化巣の大部分が腫瘍が発育, 増殖する過程において形成されるものであることを示すと共に, 腫瘍の個体内での存在期間を意味するともいえよう.

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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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