肺癌
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肺癌に合併する呼吸器感染症の意義
今野 淳本宮 雅吉大泉 耕太郎佐々木 昌子中井 祐之斎藤 園子渡辺 彰富樫 秀生小犬丸 貞裕青沼 清一鈴木 修治
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1980 年 20 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

肺癌405例中肺感染を起こした152例について感染の意義を検討した.その結果, 肺感染は入院時既に31%に存在し気管支の狭窄による閉塞性肺炎が多くみられた.原因菌としてはグラム陰性菌が多く検出された.肺感染合併例は非合併例に比べると感染前でツベルクリン反応が有意に減弱し, 感染後は血清アルブミンが有意に減弱していた.感染の誘因として白血球減少, ステロイド投与があったが白血球の減少は予後に重大な影響を与えた.剖検例で感染による直接死亡は22%であった.

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