1986 年 26 巻 3 号 p. 259-265
癌性胸膜炎を伴った原発性肺癌9例に対して胸膜肺全別術を施行し, 臨床的な検討を加えた.生存例は術後51ヶ月のE0・n0例及び術後15ヶ月のE2・n1例の腺癌例2例で, 現在臨床的に癌の再発はみられない.死亡例は7例で, 各々術後1.5ヶ月, 4ヶ月・6ヶ月・7ヶ月2例, 9ヶ月, 25ヶ月であった.全体の中間生存月数は7ヶ月と悪いが・胸水無貯留例に手術適応があることに問題はなく, 胸水貯留例については今後更に症例を重ねてその適応を確立していく必要がある.