肺癌
Online ISSN : 1348-9992
Print ISSN : 0386-9628
ISSN-L : 0386-9628
癌性胸膜炎に対するCispiatin胸腔内投与療法
その基礎的, 臨床的検討
中村 謙弥高梨 信吾石田 正文湯浅 光悦高瀬 洋工藤 優櫛引 大輔小野寺 庚午谷村 竹生松本 一仁
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 30 巻 4 号 p. 527-536

詳細
抄録

癌性胸膜炎に対するCisplatin (CDDP) の胸腔内投与物質としての有用性を評価するために, 1) CDDPの家兎胸膜刺激作用, 2) 癌性胸膜炎患者におけるCDDPの体内動態, 3) その臨床効果について検討した. その結果, CDDPは強い胸膜刺激作用を持ち, 比較的長時間胸腔内に維持できる薬剤であると考えられた. また臨床的にも奏効率73%, 平均生存期間220.3日と, 従来癌性胸膜炎に用いられてきた胸腔内投与物質と比較しても遜色のないものであった.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top