1990 年 30 巻 4 号 p. 527-536
癌性胸膜炎に対するCisplatin (CDDP) の胸腔内投与物質としての有用性を評価するために, 1) CDDPの家兎胸膜刺激作用, 2) 癌性胸膜炎患者におけるCDDPの体内動態, 3) その臨床効果について検討した. その結果, CDDPは強い胸膜刺激作用を持ち, 比較的長時間胸腔内に維持できる薬剤であると考えられた. また臨床的にも奏効率73%, 平均生存期間220.3日と, 従来癌性胸膜炎に用いられてきた胸腔内投与物質と比較しても遜色のないものであった.