肺癌
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原発性肺癌手術症例の開胸時における胸水と胸腔内洗浄液の検討
細胞診所見について
岡田 守人坪田 紀明吉村 雅裕久保田 真毅室谷 陽裕指方 輝正藤原 武八田 健
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1992 年 32 巻 1 号 p. 45-52

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抄録
原発性肺癌手術429例のうち, 開胸時に胸水を認めた69例 (16.1%) と開胸時に胸腔内洗浄を施行した連続121例の細胞診結果について検討した.胸水細胞診陽性は69例中16例 (23.2%, 腺癌14例) であり, 洗浄液細胞診陽性は121例中5例 (4.1%, 全例腺癌) に認めた. 後者陽性例は前者陽性例と同様予後が悪く, 臨床上悪性胸水 (T4) と扱う事が望ましい. 胸水貯留を認めたが治癒切除が行い得たと思われた症例の胸水細胞診陽性率は約10%であった.また肉眼的に胸水を認めなくても手術例の約4%に洗浄液陽性例の混在することを念頭におく必要がある.
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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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