肺癌
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シスプラチン誘導多剤耐性肺癌細胞株の樹立と自己リンパ球による細胞傷害性の検討
野沢 悟
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1992 年 32 巻 2 号 p. 223-232

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抄録

薬剤耐性における養子免疫療法の有用性を推測するため, 肺癌患者の胸水から肺小細胞癌細胞株 (STC1) と肺非小細胞癌細胞株 (LO301) およびそれらのシスプラチン耐性細胞株 (STC1/CDDP, LO301/CDDP) を樹立して, それらの細胞株に対する自己のリンパ球の細胞傷害性を比較検討した.MTT assayを用いた薬剤感受性試験では, STC1/CDDPは, CDDP, MMC, VCR, CPA, VP-16について耐性が認められ, LO301/CDDPは, CDDP, ADM, MMC, VCR, VP-16について耐性が認められた.IL-2加で培養した自己のリンパ球は, どちらも薬剤耐性細胞株に対して高い細胞傷害性を有していた.invitroのautologousな系を用いたこれらの結果から, 薬剤耐性を示した肺癌に対する養子免疫療法の有用性が示唆された.

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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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