1992 年 32 巻 2 号 p. 259-264
才の男性が咳漱, 血痰を主訴として入院し, 肺線維症に合併した右S4原発の肺腺癌, T2N2M1 (PUL) と診断された.Cisplatin, Ifosfamide, Vindesineによる化学療法2クール開始20日目に紫斑, 腹痛, 血尿および蛋白尿をきたし, Henoch-Schönlein紫斑病と診断された.皮膚生検像では軽度の血管炎を認め, 血中Immune complexは軽度に増加していた.ステロイドに対し反応良好であった.経過から原因抗原は腫瘍細胞由来または薬剤由来と推定される.