肺癌
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男性集検喀痰細胞診C判定群のその後の癌発生リスクからみた喀痰細胞診C判定の意義
佐藤 雅美斎藤 泰紀佐川 元保遠藤 千顕薄田 勝男高橋 里美菅間 敬治佐藤 博佐藤 博俊藤村 重文
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1995 年 35 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
宮城県における喀痰細胞診でC判定の意義を検証する目的で, 喀痰細胞診C判定からの癌発生をB判定からの癌発生と比較して相対的な癌発生の危険度として算出した.
昭和58年度に宮城県肺癌検診で喀痰細胞診を受診した男性のうち, 受診年度内に癌が確定した症例を除いたC判定82例, B判定7167例を対象とし, 昭和62年12月末までの肺癌および上気道癌罹患状況を宮城県地域癌登録, および検診結果との照合により把握した. その結果, 人年法で算出した10万人対の癌罹患率はB判定で274, C判定で547.8で, C判定からの癌発生の相対的危険度はB判定の1.99倍であった. しかし, 両判定からの癌発生に有意差はなかった. これらの結果から, 宮城県におけるC判定から癌が発生するリスクはB判定より高いとは言えず, C判定は本来陰性とすべきとする肺癌学会の指導区分の定義に合致した診断的意義を有していると考えられた.
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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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