肺癌
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術前診断しえた肺動脈肉腫の1例
井上 秀範吉井 新平高橋 渉喜納 五月多田 祐輔
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2001 年 41 巻 3 号 p. 237-242

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抄録
症例は70歳男性. 平成12年2月, 胸部不快感および持続する右胸部痛を認めたため近医を受診し右肺梗塞の診断で線溶療法を中心とする加療するも軽快せず, 精査加療目的にて当院に紹介された. CTおよびMRIにて一部肺動脈壁外に浸潤する右主肺動脈をほぼ完全に占拠した陰影を認め, Gaシンチグラフィーでは右肺門部に集積像を認めた. 肺動脈造影では右主肺動脈をほぼ閉塞する球状かつ辺縁平滑な腫瘤影を認め, 右内胸動脈および右気管支動脈造影では, 腫瘍の部位に一致して腫瘍濃染像を認めた. 肺動脈造影時に施行した吸引組織診で血管肉腫と診断された. 他の全身検索では転移巣を認めず, 胸骨正中切開によるアプローチで右肺全摘術及び縦隔リンパ節隔清術を施行した. 術後病理組織所見では肺動脈原発のintimal sarcomaと診断され, 右下葉に肺内転移を認めた. 現在術後10ケ月経過するが, 再発の徴候はない.以上, きわめて稀な右主肺動脈原発肉腫を経験した. 文献上術前に診断しえた本邦5例目の症例であるので報告した.
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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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