2011 年 80 巻 3 号 p. 275-285
ハンセン病の急性症状としての2型らい反応(らい性結節性紅斑、erythema nodosum leprosum: ENL)の治療薬としてサリドマイドがある。日本においては多発性骨髄腫に保険適用になっている。使用にはサリドマイド製剤安全管理手順(Thalidomide Education and Risk Management System: TERMS®)を適正に遵守することになっている。
今回サリドマイドを2型らい反応に使用するにあたって診療ガイドラインを作成した。2 型らい反応に対してのサリドマイド使用の経験や文献は多くない。そのため、TERMS® を適正に遵守し、サリドマイドを就寝前に50 〜100mg 内服から開始し、症状の変化を観察しながら増減することで2型らい反応をコントロールすることとした。