日本ハンセン病学会雑誌
Online ISSN : 1884-314X
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80 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
  • 北原 誠
    2011 年 80 巻 3 号 p. 249-259
    発行日: 2011/09/01
    公開日: 2012/09/28
    ジャーナル フリー
      群馬県の草津温泉には、明治以前より温泉の効能を慕ってハンセン病患者も湯治に訪れていた。明治2年(1869年)の大火に見舞われて壊滅的な打撃を受けた宿屋の主人達は、早期の復興を目指して諸病の湯治を目的とした誘客に力を入れ、温泉の効能を大々的に宣伝したため、多くのハンセン病患者が現在の湯畑周辺に長期滞在するようになり、復興のための入浴客誘致と相まって初期のハンセン病患者の集落が自然形成されていった。
      やがて草津温泉が全国的に知られるようになると一般湯治客も増加し、湯畑周辺が手狭になって来たと考えた町当局と宿屋の主人達はハンセン病患者を湯之澤地区に移転させて集落を形成させようと画策した。ハンセン病患者の代表らと交渉の末、明治20年(1887年)にハンセン病患者の湯治区域として湯之澤部落が創られた。後に湯之澤部落は草津町の正式な行政区(湯之澤区)となって地方自治体が正式に存在を認めたハンセン病患者の居住区として発展し、定住者の増加に伴って職業も多岐に亘り救癩活動の拠点も出来、永遠にハンセン病患者の自由療養地区として定着するかに見えた。
      しかし、昭和6年(1931年)の癩予防法制定で事態は一変し、昭和11年(1936年)から全国的に広がった無癩県運動の流れに押される形で湯之澤区と群馬県が集団移転に関して協議した結果、昭和16年(1941年)ついに集団移転に合意、町から更に離れた山中に建設された国立療養所栗生楽泉園の中に区画された自由地区が受け皿となり翌昭和17年(1942年)までに全ての住民が立ち退き、人口八百余名を数えた我が国唯一の合法的なハンセン病患者の集落は消滅した。
  • 石井 則久, 四津 里英, 森 修一
    2011 年 80 巻 3 号 p. 261-268
    発行日: 2011/09/01
    公開日: 2012/09/28
    ジャーナル フリー
     愛知県において、1963(昭和38)年かららい予防法が廃止になる前年の1995(平成7)年まで33 年間、ハンセン病の外来診療が行われていた。藤楓協会愛知県支部と愛知県衛生部、国立駿河療養所が協力して、延人数で療養所退所者3,877 人、在宅者614 人、患者家族など486 人の計4,977 人の診療が行われた。外来診療で発見された新規患者については、療養所入所をさせることなく外来診療を行った例もあった。
     1996(平成8)年からは退所者に対する療養相談を行っており、2010(平成22)年までの15 年間に延349 人が相談に訪れた。
  • 若井 智世, 矢島 幹久
    2011 年 80 巻 3 号 p. 269-274
    発行日: 2011/09/01
    公開日: 2012/09/28
    ジャーナル フリー
     ブルーリ潰瘍患者2症例(非潰瘍期、潰瘍期)から外科的に摘出された皮膚病変の肉眼像および病理組織像を検討した。
     病理組織学的には非潰瘍期では真皮の結節、潰瘍期では皮膚の広汎な壊死、線維芽細胞増生とともに、ラングハンス型巨細胞、類上皮細胞、血管炎が観察され、リンパ節にも肉芽腫が観察された。原因菌のMycobacterium ulceransM.ulcerans )は抗酸菌染色(Fite 染色)、phenolic glycolipid-1(PGL-1)免疫染色に陽性を示した。
     ブルーリ潰瘍皮膚の組織学的特徴を肉眼像とともに示し、若干の考察を加え報告する。
総説
  • 石井 則久, 石田 裕, 岡野 美子, 尾崎 元昭, 儀同 政一, 熊野 公子, 後藤 正道, 野上 玲子, 畑野 研太郎, 山田 暁, 四 ...
    2011 年 80 巻 3 号 p. 275-285
    発行日: 2011/09/01
    公開日: 2012/09/28
    ジャーナル フリー
     ハンセン病の急性症状としての2型らい反応(らい性結節性紅斑、erythema nodosum leprosum: ENL)の治療薬としてサリドマイドがある。日本においては多発性骨髄腫に保険適用になっている。使用にはサリドマイド製剤安全管理手順(Thalidomide Education and Risk Management System: TERMS®)を適正に遵守することになっている。
     今回サリドマイドを2型らい反応に使用するにあたって診療ガイドラインを作成した。2 型らい反応に対してのサリドマイド使用の経験や文献は多くない。そのため、TERMS® を適正に遵守し、サリドマイドを就寝前に50 〜100mg 内服から開始し、症状の変化を観察しながら増減することで2型らい反応をコントロールすることとした。
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