2024 年 92 巻 3 号 p. 79-88
2022年6月に、世界保健機関(World Health Organization: WHO)は極めて重要なガイダンス「皮膚に関連する顧みられない熱帯病を統合的に制御・管理するための戦略的枠組み」を発表した。皮膚に関連する顧みられない熱帯病(skin-related neglected tropical diseases)、すなわち皮膚NTDsは、皮膚に症状や徴候を示すNTDsの一群で構成され、少なくとも9つの疾患または疾患群が含まれる。疾患別の縦割りアプローチから脱却し、可能な限りこの共通の特徴に基づいた相乗効果的な対策をとることで、より大きな保健上のインパクトを達成することを目的としている。多角的な側面をもつハンセン病は、戦略的枠組みの中で紹介されている20の横断的分野(cross-cutting areas)全てに該当し、統合的アプローチがもたらす効果が特に期待される疾患である。本稿は、この枠組みがもたらす、特にハンセン病対策における可能性に注目し、その実践的な機会について述べる。