日本ハンセン病学会雑誌
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Mycobacterium lepraeの遺伝子について
中田 登
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2001 年 70 巻 3 号 p. 135-140

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抄録

Mycobacterium lepraeゲノムDNAの全配列が決定され公開された1)M.lepraeゲノムに関する研究は1980年代から行われており、guanine+cytosine含有率が約58%であること、ゲノムサイズが他のマイコバクテリアと比べて1/2~3/4と小さいことなどが知られていた。その後、多数のM.leprae遺伝子がクローニング、シークエンシングされたが、ゲノムシークエンシングに関する最初の報告は1993年に行われ、4つのcontig上に合計約2.8Mbのコスミド断片がマップされていた。最近公開されたゲノムシークエンスでは以前のものと比較して遺伝子マップが大きく修正されている。M.lepraeゲノムシークエンスから直ちにハンセン病治療に関して有益な情報が得られるわけではないが、M.lepraeゲノムの全体像が明らかになったことにより、ハンセン病治療、およびM.leprae研究に新たなアプローチへの道が開かれたと言える。以下、筆者らの行ったM.lepraeのkatG領域に関する分析を含めて、M.lepraeのゲノムや個々の遺伝子に見られる特徴的な構造について述べる。

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