2001 年 70 巻 3 号 p. 141-144
ハンセン病ニューロパチー患者10例(T群6例、L群4例)の生検生検末梢神経試料を形態学的に観察した。光学顕微鏡では、神経周膜は高度に肥厚していた。Schwann細胞は減少しており、再生像を伴わない神経変性を認めた。病変の軽度な例では神経周膜下浮腫がみられた。
電子顕微鏡では、病変の高度な例で神経周膜のbasal laminaはほぼ完全に消失していた。神経周膜に光顕的にほとんど異常のみられない例でもbasal laminaの分裂がみられた。このようなbasal laminaの異常は病型を問わず、ハンセン病ニューロパチーに共通してみられた。今回の検討により、神経周膜の障害がハンセン病ニューロパチーの特徴であることが明らかとなった。