日本ハンセン病学会雑誌
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らい菌のダプソン耐性変異
甲斐 雅規
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2004 年 73 巻 3 号 p. 221-226

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抄録

サルファ剤に耐性を示す種々の細菌が葉酸合成系酵素であるDihydropteroate synthase(DHPS)をコードする遺伝子folPに変異を持つことから、ハンセン病の原因菌であるらい菌のダプソン耐性が疑われる臨床分離株を用いてそれぞれのfolPの塩基配列を決定し解析を行った。その結果、耐性らい菌のDHPSのアミノ酸位置53位と55位に特徴的な変異を発見した。同変異位置の少なくとも一方の55位は他のサルファー剤耐性細菌でも変異が見られることからも、ダプソン耐性とfolPのこの両部位における点突然変異には強い相関があるものと考えられた。

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