高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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教育講演
前頭葉・基底核の高次脳機能障害
大槻 美佳
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2012 年 32 巻 2 号 p. 194-203

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抄録
前頭葉および基底核に関連する高次脳機能障害を概説した。前頭葉損傷による障害には様々なものがあるが, 症候が明確に定義され, かつ責任病巣が明らかで, 局在徴候として確立しているものを取り上げた。中心回領域損傷では拙劣症, 失構音など運動や発語の要素的なレベルでの実現に関与する障害が出現し, 背外側領域損傷では作動記憶の中央実行系の障害やセット変換の障害など動作・行為の遂行に大きく関与する障害の他, 書字障害, 失タイプ, 喚語困難, 前部弁蓋部症候群など多彩な症状が出現し, 内側領域損傷では把握反射・本能性把握反応・行為の解放現象, 動作の駆動に関する障害が出現する。基底核に関連する障害としては, パーキンソン病患者を対象に取り上げ, 特にセット変換を評価する課題における問題, 中央実行系の問題と視空間認知の問題を検討した。その結果, 基底核損傷では, セットや動作・行為が変換された後に, それを維持することに障害が出現すること, また, 中央実行系に負荷がかかる条件下で, 視空間認知が大きく低下することが明らかになった。
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© 2012 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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