Machado-Joseph 病 (MJD) における注意機能障害を検討した。認知症の認められない MJD 群 15 例および年齢, 教育年数を統制した対照群 15 例を対象に Frontal Assessment Battery (FAB) , 語想起 (カテゴリー・語頭音) , 仮名拾いテスト, Trail Making Test (TMT) -A, B, 数唱, 逆唱と視覚性記憶範囲 (同順・逆順) を施行した。MJD 群では, FAB 合計, 語想起 (語頭音) , 逆唱, 仮名拾いテストに有意な低下がみられた。一方, 語想起 (カテゴリー) , FAB の「類似, 把握反応, 系列動作, 葛藤指示, Go-NoGo 課題」および数唱, 視覚性記憶範囲 (同順・逆順) , TMT-A, B, B/A には両群間で有意差は認められなかった。MJD 群では, 注意の変換, 選択的注意に有意な低下はみられず, 分配性注意に選択的障害が認められ, MJD による小脳-前頭葉機能系の障害との関連が推測された。
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