抄録
脳損傷後に出現するアパシーは,患者の予後に影響を及ぼすことが多い。本稿では,当院精神神経科に脳器質疾患による精神症状のために入院した115 例のアパシーの経過,および,アパシーが改善した群と悪化した群の要因分析を後方視的に行った。その結果,アパシーは改善するものの改善の速度は非常に緩やかであった。アパシーの悪化には脳器質疾患以外の身体疾患の悪化/ 出現が関連する可能性が考えられた。一方で,アパシーの改善には,身体拘束の解除など患者が自由になれる環境設定や集中的なリハビリテーションが関連する可能性が考えられた。アパシーに対して,身体疾患の管理や環境設定の重要性が示唆された。