2017 年 37 巻 2 号 p. 181-186
brain-machine interface (BMI) は中枢神経の信号を解読して利用する, あるいは中枢神経の情報処理に外部から介入して操作する技術である。例えば四肢麻痺の患者の脳活動を記録して解析することにより車いすを運動の意図に基づいて操縦するといった臨床応用が考えられる。BMI には脳に外科的に電極を埋め込む侵襲的な方法や脳波などを利用する非侵襲的な方法がある。神経生理学研究の蓄積により神経活動を読み取り解析する技術は進んでいるが, 外部からの刺激により神経情報処理を修飾する技術に関しては未だ初歩的な段階である。将来的に読み取り・書き込み技術が発達すればコンピューターが生体脳の情報処理を補完することにより高次脳機能障害を治療することが実現されるであろう。