高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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原著
びまん性軸索損傷が表情の識別にもたらす影響
橋本 優花里宗澤 人和澤田 梢近藤 啓太宮谷 真人吉田 弘司丸石 正治
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2018 年 38 巻 2 号 p. 222-230

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抄録

  表情識別には, 皮質のみならず皮質下の脳領域の関与も示唆されており, びまん性軸索損傷 (diffuse axonal injury, 以下 DAI) による表情識別能力の低下が示されているが, その報告 数はあまり多くない。 本研究では, 若年 DAI の男性患者を対象に, 表情刺激の表出強度を段階的に変化させながら, 実験心理学的手法に基づいて基本 6 表情の識別閾を測定できる課題を実施し, その成績を年齢が統制された若年健常者と比較した。その結果, 表情種に関わらず, 若年 DAI 群の表情識別の閾値は, 若年健常群に比べて高いことが示され, 局所損傷を持たない DAI であっても, 表情識別能力が低下していることが明らかになった。

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© 2018 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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