最近,すばらしい光学特性をもつ透明セラミックが新しい製造方法で合成されるようになってきた.その例として,1993年に筆者は,チョクラルスキー法で作製された高品質のNd:YAG単結晶の光学特性に匹敵する多結晶Nd:YAGセラミックを作製することに成功した.理想的な組織構造をもつNd:YAGセラミックは極低散乱で屈折率の均一性もきわめて良好であり,高いビーム品質と高いレーザー発振効率を提供できた.今後,光学品質の多結晶セラミックは,さまざまな応用分野で,従来の光学単結晶の特性を凌駕する可能性がある.