高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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原著
線画を使用した音韻-文字変換の再学習訓練により仮名書取とタイピングが改善した 1 例
若松 千裕石合 純夫
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2021 年 41 巻 4 号 p. 377-386

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抄録

  線画を使用した音韻-文字変換の再学習訓練後に, 聴覚提示による仮名書き取りとローマ字入力の仮名タイピングが改善した慢性期失語例を報告した。40 歳代, 男性, 左側頭頭頂葉の脳出血。呼称可能な線画を使用して, 音韻-平仮名変換の再学習訓練を本例に実施した。訓練前後に, 1 モーラの聴覚と視覚提示それぞれで, 平仮名とローマ字での書字, タイピングを実施した。訓練後に聴覚提示から平仮名とローマ字で書き取り, タイピングをさせると, 成績は訓練前より向上した。一方, 平仮名の視覚提示からローマ字への書き換えとタイピングをさせると, 成績は訓練前から良好であった。線画の視覚・意味・音韻情報が音韻と文字との対応学習を促し, 聴覚提示の平仮名書き取りが改善した可能性がある。平仮名→ローマ字の直接変換が訓練前から良好であり, 1 モーラ聴覚提示から語頭音が一致する訓練語を想起して, その語頭の平仮名を視覚性に想起可能となり, タイピングとローマ字での書き取りも改善したと考えられる。

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© 2021 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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